2018年2月19日月曜日

鈴鹿クラブマンレース第1戦 クラブマンスポーツレポート

決勝レーススタートシーン

VITA-01で争われるクラブマンスポーツクラスには13台が参戦。昨年のチャンピオン杉原直弥、ランキング2位の中里紀夫が参戦を見送ったが、それでもいつもながらの激しい戦いとなった。

ウエットコンディションの予選でポールポジションを獲得したのは米田弘幸。「シェイクダウンテストを兼ねた参戦でまだセットアップが煮詰まっていない」と言う鍋家武がドライビングでそれをカバーし2番手。以下、八木智、堀田誠、オノッチーノ、松本喜章の順(トップ6)。しかし、松本は黄旗中のスピンで3グリッド降格の9番手スタートとなった。

ドライコンディションとなった決勝レース(17周)は、ポールポジションの米田が好スタート。八木が2周目に2位に上がると、終始米田を1秒以内の差で追う手に汗握る展開に。「ミスしてくれればいつでも抜けたのですが、米田さんの走りは完璧でした」とレース後に八木が語ったが、その言葉通り米田はミスなく走りきり優勝を飾った。

米田(手前)と八木(奥)のトップ争い
2位は八木。3位はなんと9番手スタートから1周目で6位、2周目で4位と、素晴らしい追い上げをみせた松本が入り、CS2とのダブル3位を獲得した。

予選2番手だった鍋家はドライコンディションではセットアップの煮詰まり具合が響き苦戦。終盤には一度抜かれた3位のマシンを猛追したが0.5秒届かず、4位の結果だった。


■決勝レーストップ3コメント
優勝 米田 弘幸<ABBEY RACING>
「狙い通りでした。でもちぎれると思っていたのに八木さんが終始後ろにいたので、ミスだけはしないように、集中力が途切れないようにドライブしました。強豪ドライバーたちが居ない間に、ポイントを重ねてチャンピオンを取りたいと思います。」

2位 八木 智<CA1ST京都・VITA>
「1位を目指したかったけど、米田さんはミスをしてくれませんでした。ワンチャン期待したのですが、完璧な走りでしたね。でも自分的には納得の戦いです。まだシーズン通して参戦できるかわかりませんが、できるだけ出てチャンピオンに近づきたいと思います。」

3位 松本 吉章<ABBEY RACING>
「ダブル表彰台でとても嬉しい! また、チームメイトが勝ったのも嬉しいです。ペナルティで9番手スタートになってしまいましたが、17週もあればいけると思っていました。最後、鍋家さんは速くて厳しかったのですが、なんとか1コーナーで前に出ることができました。」

クラブマンスポーツ表彰式
左から2位の八木、優勝した米田、3位の松本

■クラブマンスポーツ決勝結果
優勝 米田 弘幸<ABBEY RACING>
2位 八木 智<CA1ST京都・VITA>
3位 松本 吉章<ABBEY RACING>
4位 鍋家 武<IMAGEサスペンション+パラモ☆REV>
5位 成瀬 茂喜<Nuvo KASAI EVOLVE 01>
6位 いむら せいじ<オートルックVITA-01>
7位 大山 正芳<恵比寿★楽しく走ろう.com★NAMS>
8位 オノッチーノ<レイシス宇津木妙子ソフトボールドリーム号>
9位 成尾 悟史<Kubota Engineering>
10位 関 正俊<グラック&KTS>
11位 堀田 誠<mutaレーシング★VITA>
12位 松田 剛志<A-ONE vita01>
13位 富田 栄造<ワコーズEDニルズレーシングVITA>



■ピックアップドライバー
鍋家 武<IMAGEサスペンション+パラモ☆REV>
2013年からクラブマンスポーツにフル参戦を始めた鍋家さんは、いつも奥様と二人三脚でレース活動を続けています。今回はシェイクダウンテストを兼ねた参戦でしたが、ウエットコンディションの予選では「セットアップがまだ煮詰まっていません」と言いながらも、それをドライビングでカバーして2番手。ドライになった決勝は苦戦しましたが、4位でフィニッシュしました。

「昨年の終盤2戦休んで、今年開幕戦から復帰しました。できれば今シーズン耐久以外の全戦に出たいし、耐久ももしオファーがあれば出たいと思っています。もちろん目標は優勝。でもそんなに甘くないことはわかっています。今回のレースはシェイクダウンを兼ねているので、しっかりマシンを作り上げていきたいと思います。今回出た問題は次までにクリアして、上を狙います。過去にシビックでチャンピオンを取ったこともあるけど、かなりの間ブランクがありました。数年前からVITAでレースに復帰して、鈴鹿戦を中心に戦っています」

いむら せいじ<オートルックVITA-01>
北で数々の旋風を巻き起こしてきたいむらさんが東にも進出。いよいよ鈴鹿シリーズに力を入れることになりました。今回は予選でトラブルが発生し厳しい戦いとなりましたが、鈴鹿でもいむら旋風が巻き起こることが期待されています。

「予選のトラブルでほぼ最後尾からのスタートになってしまいました。でも、今回はだめでも、シーズン通じて表彰台に上れる活躍をしたいと思っています。もてぎと筑波のシリーズは今年5年目ですが、鈴鹿シリーズは2016年から参戦を始めました。今年は鈴鹿を優先して戦っていきたいと考えています。VITAはドライビングスキルをローコストで学べる素敵な乗り物です。VITAでトップレベルの実力がつけば、どんなマシンでも乗りこなすことができるでしょう。練習が大切になってきますが、技術を磨けばとてもやりがいのあるレースです」

成瀬 茂喜<Nuvo KASAI EVOLVE 01>
元鈴鹿FJシリーズチャンピオンで、VITAは昨年から参戦している成瀬さん。35年ぶりに走る東コースのレースでしたが、7番手スタートから5位でフィニッシュしました。

「東コースのレースは35年ぶりです。1985年にFJ鈴鹿シリーズでチャンピオンを取ってF3まで行ったのですが、その1年でレースをやめてしまいました。でもまたレースをしたくて富士でFCR-VITAに昨年参戦。鈴鹿の最終戦も出て、今年は鈴鹿と富士両方のシリーズに参戦していく予定です。今年に集中してレースをしようと思うので、いつかは表彰台、そして優勝も狙っていきます」

大山 正芳<恵比寿★楽しく走ろう.com★NAMS>
120台もが参戦していた頃のFJでしっかり決勝に残る結果を出すなど、過去にさまざまなレースで活躍した大山さんにお話を伺いました。

「VITAは2年目です。東コースのレースも2回めで、まだ良くわかっていないところがあります。でも速さを掴んでチャンプ争いに絡めるような戦いをしたいと思っています。VITAのセットアップはとてもシビアで、まだ自分のものにできていません。ここが課題です。これまではAE86レースや120台も参戦していた頃のFJ(1989年〜91年)、それからポルシェやBMWのレースを経験してきましたが、やっぱり真ん中にコックピットがあるVITAはレーシングマシンらしくて好きです。できればずっと続けていきたいと思っています」



■クラブマンスポーツを戦った勇士たち!